私は、骨肉腫の化学療法が始まると、本当に様々な副作用に悩まされ続けました。
あれは・・・あれは本当に辛かったです・・・涙
出口の見えない真っ暗なトンネルの中で、前に進んでるのかもわからないような気持ち。
でも、1回1回の化学療法をこなしていくしかない日々でした。
抗がん剤治療中は、毎日、主治医の先生が病室に顔を出しに来てくれたんですが、
「調子どう?」
って回診に来てくれた先生に
「辛いに決まってんじゃん!!!」
「だったら、先生がやればいいじゃん!!!」
「どんなに辛いか、やればわかるし!!!」
って返していた私・・・汗
そんな私に、
「いや〜、患者さんみんなにやれって言われるんだよね。ははは。」
なんて感じで、いつもおだやかな返事が返ってくる仏のような先生です。
化学療法の副作用は、治療の進み具合を左右する骨髄抑制(こつずいよくせい)・聴力・味覚・嗅覚・口内炎などなど、様々な症状が全身にあらわれます。
そして、治療が終われば治るものから、後遺症として残るものまであるんですよ。
しかし、髪の毛がちゃんと生えてくるかどうかばかりが心配で、他のことは深く考えてなかったんです。
でも、先生から言われていたとおり、私にもちゃんと後遺症が残っています。
今回は、そういった話も含めて、化学療法の副作用をひとつひとつ丁寧に解説していきますね。
化学療法の副作用
抗がん剤は、ターゲットであるがん細胞だけでなく、良い細胞まで攻撃してしまう薬です。
その結果、身体に様々な副作用が出てきます。
でも、副作用っていうのは同じ抗がん剤を使っていても、その人によって症状は様々なんです。
「この薬、楽勝だよ〜!」
って、一緒に治療してた患者さんが教えてくれたから、
「ひゃっほう!」
なーんて気楽に考えてたのに、いざ治療がはじまったら、私には尋常じゃない辛い副作用があった・・・涙
なんてこともありました。
それでは、どういった副作用が出るのかお話ししていきます。
骨髄抑制
この、聞きなれない骨髄抑制(こつずいよくせい)という副作用は、化学療法を行う上で、かなり重大なポイントになってきます。
骨髄抑制によって、治療の進み具合も、退院できるかできないかも、食事の内容も変わってくるんですよ。
身体のどこで血液を作っているかわかりますか??
血液を作っている場所は、「骨髄」です。
抗がん剤が身体に入ると、骨髄で血液を作る作業がおさえられてしまうんです。
抗がん剤って、血を作れなくさせる作用まであるんです。
これを、「骨髄抑制」と言います。
最初は聞いたこともない言葉に、この副作用の重大性があまりわかってなかったんですよね。
実は、ほとんどの抗がん剤で、骨髄抑制の副作用があるんです。
でも、この副作用は治療開始すぐに始まるわけではありません。
1週間過ぎたあたりから徐々に徐々に出て来ます。
身体に必要不可欠な血液が作れなくなると、身体にどんなことが起こるかわかりますか??
骨髄抑制という副作用の結果、身体にどんなことが起こってくるのか、ひとつづつ説明していきますね。
白血球減少
一般的に、健康な人の白血球の正常な値は、3800〜9000くらいです。
しかし、抗がん剤の治療が始まると、血液の製造がストップしてしまうので、白血球の値が下がってきます。
白血球は体の免疫力を担う重要な役割があるので、それが減るということは、免疫力低下を意味するわけです。
つまり、様々な病気にかかりやすくなることを意味します。
なので、1日置きくらいに採血をして、白血球の値をチェックすることになりました。
もし、白血球の値が3000を切ったら、造血剤(ぞうけつざい)という薬で強制的に白血球を増やします。
ちなみに、造血剤は私が大嫌いな皮下注射(ひかちゅうしゃ)で体内に注入します。
皮下注射って、めちゃ痛いんです・・・
あくまで、私はですけど。
皮下注射が本当にイヤでイヤでたまらなくって、
「いつ注射してもらうかは、自分で決める!」
とかなんとか言って逃げて、5分でも10分でもいいから注射を先のばししてました。
保険が利かない造血剤で、当時は、1回打つと1万円くらいだったんです・・・高い(涙)
もしかしたら、今は保険が利くかもしれません。
(なんで白血球が3000切るんだよ・・・)
って毎回思ってました。
治療費を払ってくれている母に、ただただ申し訳なくて。
いつも自分が腹立たしかったです。
次の採血で、まだ白血球の値が上がりきっていないと、また造血剤。
これは、外に出られる値を血液検査でたたき出せるまで続きます。
外に出れないんだから、もちろん、一時退院できる日はのびていきます。
そして、白血球の値が1500を切るとプチ隔離がはじまります。
私は大部屋でしたが、マスク着用+カーテンを引いてベッドの周りにしかいられなくなります。
さらに、白血球の値が1000を切ると、個室で隔離です。
食べ物は、加熱してあるものしか食べられません。
なまものは、抵抗力がなさすぎて一切禁止です。
個室に運ばれる食事は、一品ずつ全てラップがしてあって、看護師さんも必要最低限しか入室しません。
そんな食事でも、デザートが付いてくることは確認済みです。
ちなみに、黄桃です。
とにかく、治療中は白血球の値に全て左右されていましたね。
でも、これだけじゃないんです。
貧血
血液が作れないから、赤血球も作れません。
赤血球の数が減少すると、徐々に貧血の症状が出てきます。
ただでさえ治療で痩せて、食事もしていなくて、フラフラなところに貧血はかなりかなり辛いです。
辛い上に、私は化学療法の直後に手術を控えていました。
大きな手術だったので、輸血の可能性があったんですね。
輸血は、誰かの血液を使うより、前もって採っておいた自分の血液を使った方が安全です。
自分の血液を輸血することを自己血輸血(じこけつゆけつ)って言います。
なので、自己血輸血のための血液を、ほんのり貧血の身体から400mlしぼり出してって言われて、本当に大変でした。
400ml採取した直後に貧血で、ベッドに青白い顔で横たわる私と、その血液を速攻で体内に戻そうか考える先生。
でも、しばらく休んで大丈夫そうだったので、ちゃんと輸血用として保管してもらうことになりました。
幸い、手術では輸血の必要がなかったので、その血液たちは手術中に私の身体に戻されたんですが、貧血だと手術のための準備も大変なんです。
でもですね、骨髄抑制の副作用、これで終わりかと思いきや、まだあります。
血小板減少
血小板が減少すると出血しやすくなる上に、血が止まりづらくなってしまいます。
これももちろん、血液が作れないからです。
鼻をかむことすら、「やさしくお願いします。」
歯ブラシは、「やわらかめ」使ってねって看護師さんから言われました。
治療中は吐き気がものすごくて、歯みがきなんて一切できないから意味ないしって思ってました・・・
私は治療中に歯みがきや鼻をかんで出血することはなかったのですが、とりあえず、歯ブラシを買うなら「やわらかめ」でお願いします。
さて、ここまでが骨髄抑制の引き起こす副作用の説明です。
骨髄抑制だけでもかなり副作用がありましたね。
しかし、抗がん剤の副作用はまだまだ序の口です。
こんなもんじゃないです。
では、まず、化学療法といったら!なイメージの脱毛から説明していきますね。
脱毛
治療開始3週間くらいから始まります。
脱毛は、化学療法をしたことがない方でもなんとなくイメージできませんか?
ドラマなどでも、そういうシーン、ありますよね。
そして、実際、脱毛体験をした私が太鼓判を押します。
あの通りです。
最初の治療の時って、先生から脱毛するよって説明はされるんですけど、どんな風に始まるのか全然わかってなかったんですね。
治療開始から、2週間経っても抜ける気配すらない。
ひっぱっても抜けない。
「やった!私って抜けない体質なんだ!」
って思ってたら、ある日、本当に突然、きましたね。
抜けても抜けても終わらないんです。
あれは・・・あの体験は・・・本当に怖かったです。
でも、抜けるのは髪の毛だけじゃないんですよ。
脱毛は、全身のありとあらゆる毛という毛に起こります。
全身脱毛です。
でも、使用する抗がん剤によって、これはものすごく抜けるとか、これはほとんど抜けないとか本当に様々なんです。
脱毛の副作用が激しい抗がん剤を使用した場合、眉毛やまつげも抜けてしまいます。
なぜ、髪が抜けるのか?
そう、そもそも、なんで抜けるんだよって話ですよね。
それは、抗がん剤に髪の毛を作る作業をストップさせる作用があるからです。
髪の毛を作っている所の細胞分裂をストップさせて髪の毛を生やしたまま維持することができなくなっちゃうっていうイメージですね。
毛根細胞ってものすごい速さで細胞分裂してるんです。
1か月で1cmくらい髪の毛が伸びるって言われますよね。
抗がん剤は、細胞分裂が早いところにはダメージがより大きいんです。
非常に残念なことに、脱毛を防ぐ方法は、今の所ありません。
脱毛は誰にとっても、とても辛いと思います。
自分で目で見てわかるので、精神的ダメージがかなり強いです。
でも、たとえ、抜けなかったとしても、多少なりとも脱毛作用は髪に働いているんですよ。
私の場合、治療に耐え抜いて残った髪の毛は、抗がん剤の治療回数分、波打っていました。
「細い部分は治療していた期間なんだろうな。」と目で見てわかるくらい細くなっている所もあれば、「ここは治療していなかった期間に伸びた部分だな。」といつもの太さになっている部分が交互に。
治療・退院・治療・退院という周期に合わせて髪の毛が細くなったり太くなったり、うねうねしていました。
そして、脱毛が始まると、ウイッグや帽子を使用する患者さんが多いです。
私は、脱毛が始まったら絶対に坊主にする!!!
って決めていたので、バリカンで坊主を有言実行。
入院中は帽子もかぶらず坊主で過ごしていました。
外出の際は、さすがに帽子着用がマナーかなと思ったので、帽子をかぶって外に出ましたよ。
さて、抜けた髪がちゃんと生えてくるのか?
ここ、肝心です。
髪の毛は生えてくるのか?
大丈夫です。
ちゃんと、生えて来ます。
ただし、元の髪質と違ったり、太さが違うとか、色が違うとか、これもまた個人差がありますね。
先生の受け持った患者さんの中には、元々真っ黒な髪の毛だったのに、治療後生えてきたと思ったら真っ白になったという患者さんもいるそうです。
私の場合は、髪質・太さ・色も前と同じ髪が生えてきました。
ちなみに、髪の毛の大切さを思い知った私は、現在ロングヘアーです。
そして、化学療法といったら!のイメージは脱毛と、もう一つが吐き気じゃないでしょうか??
次は、吐き気について説明していきますね。
吐き気・嘔吐
治療を開始した日から始まります。
これはもう、抗がん剤といえば!なイメージ!
抗がん剤治療の代名詞とも言える副作用だと思います。
でも、全ての抗がん剤が吐き気が強いわけではありません。
種類によります。
全然吐かないっていう抗がん剤もありますよ。
私の骨肉腫の治療では、シスプラチンとアドリアシンという抗がん剤を使いました。
シスプラチンとアドリアシンは、化学療法副作用界・吐き気部門のエベレストとK2だと思います。
私はこの治療が始まると、昼夜問わず5日間は吐きっぱなしでした。
大体、1週間経てば食欲は戻って来るんですけど、ひたすら辛かった・・・
「こんな治療、やっていいの・・・?私、大丈夫なの?」
治療だから大丈夫なんですが、そのくらいやっていて不安な治療です。
回数こなせば慣れるなんてないです。
毎回、生き地獄だって思う気持ちは一切揺らぎません。
なぜ、吐くのか?
抗がん剤=吐くのイメージはあるけど、、そもそも、「なんで吐くのか?」って思いませんか??
さきほどお話ししたように、抗がん剤はがん細胞をやっつけるけど、正常の細胞も攻撃しますよね。
身体には、有害なものを吸収しないよう、外に出そうとする自己防衛本能があるんです。
抗がん剤のような猛毒が体内に入ってこようものなら、一心不乱に吐き出せという指令が脳から出ます。
その結果、激しい嘔吐に見舞われるわけです。
これは、抗がん剤だけじゃなくって、ウイルス性の胃腸炎だとか、食中毒の時にも言えることなんですよ。
すばらしい機能だけど、その機能に相当苦しめられました・・・涙
ここまでは代表的な副作用を紹介しましたが、この他にもいろんな副作用があります。
順番に説明していきますね。
睡眠障害
治療を開始した日から始まります。
抗がん剤には眠れなくする作用もあります。
ひたすら辛い・・・
1分でもいいから、早く時間が経ってほしい。
吐かなくなるまであと何日・・・カウントダウンをひたすらしています。
寝たらかなり時間稼げるのにって思うんですが、眠れない作用があるんです。
目がランランとします。
眠りも浅いです。
どこまで辛いんだ・・・
倦怠感
治療を開始した日から始まります。
もちろん、これも使用する抗がん剤によると思います。
私は、激しい吐き気や動悸、口内炎などでひたすらぐったりしていました。
倦怠感って・・・もはや倦怠というレベルじゃない・・・
私だけ?
いやいやいやいや、骨肉腫以外で抗がん剤治療している患者さんも多くいました。
でも、治療中に、やる気です!元気です!ヤッホー!
みたいな患者さん、未だかつて見たことがありません。
吐くし、気持ち悪いし、寝れないし、貧血だし・・・そりゃ、倦怠感、感じます。
聴力障害
治療中というよりも、回数を重ねるごとに症状が出てきました。
聴力障害といえば、シスプラチンという抗がん剤が有名です。
抗がん剤によって、耳の聴覚神経が攻撃されてしまって、高音が聞き取りづらくなったり、耳鳴りに悩まされたりします。
そして、厄介なことに、抗がん剤の副作用で出た聴力障害は治りません。
すぐに症状が出る場合もあれば、治療が終わってだいぶ経った後に出てくる場合もあって、個人差がかなりあると思います。
私は耳鳴りはあまり感じることはありませんが、電子音が聞き取りづらかったり、聞こえなかったり。
そんなに高音じゃないのに・・・と思う音も聞き取りづらく感じることが多いです。
治療回数を重ねれば重ねるほど、症状は強く出てきます。
心筋障害
治療を開始した日から始まります。
使用する抗がん剤にもよりますね。
私の使用したアドリアシンという抗がん剤は、特に強い心筋障害が出ると言われてるんです。
抗がん剤によって心臓のポンプ機能が低下するんです。
すると、動悸や息切れ、胸の痛み、むくみ、めまいなどの症状が出てきます。
アドリアシンが体内に入った直後から、運動もしてないのに常に走っているかのような速い鼓動を心臓が打ち始めたんですね。
抗がん剤って、本当に身体に悪いんだ・・・
ものすごく怖くなったのを、今でも思い出します。
重篤な症状として、心不全に陥ることもあるんです。
なので、先生たちは注意深く治療を進めていきます。
肝機能障害
治療開始から数日後から出ます。
肝臓が普段どんな働きをしてくれているかわかりますか?
食事などで取り込んだ栄養素を分解して、体内の様々な臓器が使える形に作り変えてくれます。
アルコールや薬品など、身体にとって有害なものを解毒してくれます。
胆汁を作ったり、分泌したりして脂肪の分解を助けてくれます。
スーパー働き者ですね。
しかも、肝臓は身体にとって、とても大事な働きをしてくれているんです。
で、抗がん剤を分解しようとして、肝臓自身がダメージを受けてしまう。
黄疸が出たり、白目が黄色っぽくなったり、むくみ、だるさなどの症状が出ます。
だるさや吐き気は肝機能の低下のサインでもあるんですけど、そもそも吐き気の強い抗がん剤の場合は、肝機能障害が原因だなんて気づかないんじゃないかなぁって思いますね。
でも、重篤な場合、肝不全になってしまうこともあるんです。
定期的な血液検査で肝臓の数値をチェックしていきます。
味覚障害
治療を開始した日から始まります。
私は、治療開始して5日間は何も食べられなかったので、食欲が出て来た頃に気づきました。
味覚障害は、味を感じる神経が抗がん剤の影響でやられてしまうことが原因なんです。
私は、治療中に味覚障害が出たんですけど。、治療が終われば戻りました。
また治療が始まると、味覚障害も始まるといった感じです。
私は、特に苦く感じることが多かったですね。
例えば、カフェオーレ。
グリコのカフェオーレって美味しいですよね?
カフェオーレ、かなり甘いですよね?
吐き気が収まってきた時に、どうしても飲みたくなって飲んだら、あまりの苦さに吹き出しました。
飲めないレベルでひたすら苦い・・・
そんな感じです。
手足のしびれ
治療を続けていくうちに、徐々に出てきました。
常に手足がしびれている感じに付きまとわれて、とても気になります。
すっごくやな感じ。
でも、治療が終わると、徐々にしびれは改善されていきました。
私の場合、日常生活に支障をきたすほどのひどい手足のしびれはありませんでしたが、使用する抗がん剤や副作用の個人差で、治療終了後数年間、しびれを感じる患者さんもいるみたいです。
口内炎
私は、治療開始4日目くらいから出ました。
もう、ご存知のとおり、抗がん剤治療はがん細胞をやっつけるけど正常な細胞もやられますよね。
治療が始まると細胞分裂が早い粘膜系はダメージを受けるのが早いんです。
その一つが口の中。
今説明した、抗がん剤そもそもの直接的な作用もあるけど、骨髄抑制の副作用で白血球が減少して免疫力が低下してますよね。
そうすると、普段だったら何てことない口の中にいる常在菌によって、感染症が起こって口内炎ができてしまうんです。
口内炎くらいって思うかもしれませんね。
その考えは、甘いです。
私が使用した抗がん剤のメソトレキセートで、私の人生史上最高の口内炎を経験しました。
喉の・・・いや、もう指なんか絶対届かない食道から口の中、全てがものすごい口内炎で埋め尽くされた感じ。
あまりの痛さに、ずっと泣いていました。
顔の横にタオルを引いて、飲み込めない唾液と痛さで溢れてくる涙をずっと垂れ流しです。
本当に・・・辛かった・・・・・涙
ここまでは主に、化学療法を開始する際、病院から説明される主な副作用を私の経験を交えて説明してきました。
説明していて申し訳ないくらいたくさんある副作用ですね。
でも、まだまだ他にも副作用があるんです。
その他の副作用
今までひとつひとつ説明してきた抗がん剤の副作用は、主に、先生の説明で出てきたり、本で調べらたメインで紹介されているものです。
でも、実際に抗がん剤治療をしてみると、まだまだ他にも辛い副作用はあったんですね。
血管が硬く、細く、もろくなる
そりゃ、そうですよね。
血管は、抗がん剤っていう猛毒が直で流れてくるパイプです・・・
点滴を挿す腕を、治療のたびに交互に変えて、使う血管も変えて治療します。
何度も同じ血管を使っていると、もう針が刺さらなくなって来ます。
治療をやり遂げるまで一体、何度点滴の針を刺したんだろう・・・
治療の回数を重ねるごとに、どんどん難しくなっていく点滴の場所探し。
看護師さんたちって、本当にすごいです。
嗅覚が敏感になる
普段は全く気にならない、においまでわかるようになります。
まるで、動物になったかのような感じです。
私は、6人部屋の一番廊下に近いベットだったんですね。
私のベッドの対角線上の窓側、自分から一番遠いベッドの患者さんが化粧水を開けたら、そのにおいで吐いてしまったこともあります。
普段だったらそんなの全然わからないのに、おどろきの嗅覚です。
他にも、シャワーで使ったボディソープの匂いがスポンジから漂ってくるのが気になったりします。
これも、普段なら気にならないのに。
大部屋だと、他の患者さんの食事が遠くから運ばれてくるにおいなんて完全にダメです。
食事に関しては、最終的に、配膳車の音が遠くでガラガラガラ〜と聞こえるだけで吐いてしまうレベルにまで到達します。
この嗅覚の症状は、治療開始からしばらくすると始まって、2週間後くらいまでには戻っていました。
逆に、においがわからなくなる、鈍感になる患者さんもいるようです。
便秘になる
1週間まともに食べてない、吐きっぱなし、そりゃ、なります。
出なさすぎて・・・泣きました(本気泣きです)
看護師さんから指を入れて出す(!!!!)提案が数回ありましたが即却下です。
それだけは受け入れられない・・・汗
でも逆に、下痢になる人もいます。
女性は生理が止まる
治療が始まると生理が全くありません。
でも、生理は治療が完全に終了してしばらくすると再開します。
先生から、治療中の身体は更年期と同じだから。
って言われました・・・汗
抗がん剤によっては、子供が作れない身体になる
私の知っている抗がん剤だと、イホマイドという抗がん剤は一度使用しただけで、子供の作れない身体になります。
しかし、いきなり使用されることは絶対ありません。
治療は、患者さんの希望に沿って決められていくものです。
必ず事前に、そういった説明が主治医の先生からあるので、選択することはできます。
まだ若い患者さんの場合は、精子や卵子を凍結しておくという選択肢もあります。
ここまでお話ししてきましたが、副作用効果がこんなに抜群な抗がん剤じゃないですか?
「じゃあさ、シミとかそばかすとかも消えるんじゃない??
ねぇ、抗がん剤の強烈なパワーで消えるんでしょ??」
って、先生に聞いたところ
「いや、逆だよ逆、シミは増える。」
って言われた瞬間
「はい?・・・意味わかんないんだけど!!!全く納得できないんだけど!!!」
って先生にさらに噛み付きました。
これだけ耐えて耐えて耐えて・・・シミ増えるんかいっっっ。
という、女子には非常にがっかりな副作用も紹介したところで、化学療法の副作用についておさらいしていきましょう。
まとめ
今回は化学療法の副作用についてお伝えしてきました。
副作用は
- 骨髄抑制は特に重要なポイントになってくる副作用で、血液を作れなくなることで白血球や赤血球、血小板の減少が様々な症状を引き起こす。
- 脱毛で抜けた髪は、髪質が変わることはあるが、必ず生えてくる。
- 吐き気や嘔吐は使用する薬によって変わるが、1週間以内には治る。
- 眠れなくなったり、だるさに悩まされる。
- 高音域が聞き取りづらくなる聴力障害は治療が終わっても治らない。
- 心臓に負担の強い薬を使用すると、ポンプ機能の低下によって動悸・息切れなどの様々な症状が出る。
- 抗がん剤を解毒しようとする肝臓がダメージを受けて、黄疸やむくみなどの症状が出る。
- 味覚が変わりったり、手足のしびれ、口内炎に悩まされることがあるが、治療が終われば治っていく。
- 血管が硬く、もろくなる。
- 嗅覚が敏感になったり、鈍感になったり、便秘や下痢に悩まされるが、治療が終われば解消する。
- 生理は止まるが、治療が全て終われば再開する。
- 子供ができない身体になってしまう抗がん剤はあるが、使用する前にきちんと説明があるので自分で治療の選択することは可能。
- シミは増える。
でした。
ここで説明させていただいたのは、あくまでも私の経験です。
化学療法による副作用は、使用する抗がん剤の種類や使用する量、個人差で大きく変わって来ます。
治療中は、次から次に出てくる副作用に、気持ちがついていけませんでした。
泣いて、泣いて、泣きました。
わかっていたはずなのに、泣きました。
私だけじゃない。
みんな闘ってる。
だから、絶対に負けない。
そう思って耐えました。
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